クライメイトテックトレンド 二酸化炭素回収技術編
脱炭素社会の実現に向けて、アメリカを中心に海外のクライメイトテック(脱炭素)関連のスタートアップを紹介するシリーズ、「クライメイトテックトレンド」です。
今回は、CO2を直接回収する注目技術「DAC」と呼ばれる大気中から直接二酸化炭素を回収する技術を開発するスタートアップをご紹介します。
・DACについての解説はこちらの記事
・二酸化炭素回収技術についての解説はこちらの記事
Climeworks
拠点:スイス 資金調達:プライベートエクイティ
2021年、世界初かつ最大規模の直接空気回収および貯蔵プラントである Orca を立ち上げ、大規模な二酸化炭素除去を実現しました。空気から直接 CO₂ を回収し、 エネルギー源として再生可能エネルギー、廃棄物エネルギー、その他の廃熱のみを使用して大気中の CO₂ 濃度を削減します。マイクロソフトなどから出資を受けています。
Molecule Works
拠点:アメリカ 資金調達:プレシード
新しいリアクターとコンタクター構成を用いた固体吸着剤直接空気捕捉(DAC)システムを開発しています。同社の技術は、従来のポリマーやセラミックベースの膜よりも高い性能を提供する革新的な膜を商品化しています。
Heirloom
拠点:アメリカ 資金調達:シリーズA
カーボンミネラルを触媒にして、ゆっくり循環させる方法で空気中から二酸化炭素を回収します。DACは通常の二酸化炭素回収技術に比べコストが高いのが課題ですが、彼らは安価な鉱石を使うことでコストダウンを実現しています。同社が所有するアメリカ初のダイレクト・エア・キャプチャー施設では、カリフォルニア州ブリスベンにある当社の施設が大気から CO2 を回収し、コンクリートに永久的に埋め込みます。パートナーである CarbonCure と協力して、この CO2 を含むコンクリートは建物や構造物の基礎に敷設され、より強力なコンクリートを製造します。
Global Thermostat
拠点:米国 資金調達:シリーズA
Global Thermostatは、二酸化炭素直接回収技術、DACのパイオニア的スタートアップです。大気中などに含まれる二酸化炭素を直接回収する技術を開発・商品化しています。日本からは東京ガスや住友商事が出資しています。
Greenlyte CarbonTechnologies
拠点:ドイツ 資金調達:シード
グリーンライト・カーボン・テクノロジーズは、空気中のCO2を回収する効率的な低温DACプロセスを開発・販売しています。GCTは、2人の連続起業家と1人の経験豊富な二酸化炭素直接回収技術(DAC)研究者が、15年にわたる研究を基に、大学のスピンアウトとして設立しました。会社はドイツの工業地帯の中心であるエッセンに位置し、世界的な化学、工業、エネルギー大手だけでなく、一流の技術系大学にも囲まれています。